はてのえす

時には深く多趣味な人生を歩んでいます

平林 初之輔 秘密
海野 十三 三十年後の東京

海野十三さんの『三十年後の東京』を読んでみて

銀色の球体

 

 

 

読者のみなさん こんにちは

今回は

海野十三 著』

 

『三十年後の東京』

 

を拝読させて頂きましたので

筆者の感想や、感じた事を記事にしていきます。

 

『三十年後の東京』青空文庫で読むことが出来ます。

www.aozora.gr.jp

 

とてもシンプルでかつ興味を惹かれるタイトルですよね。

自然と、自分の三十年後を考えてしまう

非常にメッセージ性が強いタイトルだと思います。

 

内容はSFですが、30年後という手が届きそうで

なかなか難しい先の未来が舞台です。

内容は20分程度で読み終えることができる短編となっています。

 

それでいてSFの要素をギュッと煮詰めてあり、必要十分な要素

楽しめるでしょう。

 

※今回は記事において、あらすじや大きなネタバレは含みません。

 

海野 十三

日本におけるSFの始祖となった小説家。本名は佐野昌一。徳島市の医家に

 

生まれ、早稲田大学理工科で電気工学を専攻。逓信省電気試験所に勤務す

 

るかたわら、1928(昭和3)年、「新青年」に『電気風呂の怪死事件』と

 

名付けた探偵小説を発表して小説家としてデビュー。以降、探偵小説、

 

科学小説、加えて少年小説にも数多くの作品を残した。太平洋戦争中、

 

軍事科学小説を量産し、海軍報道班員として従軍した海野は、

 

敗戦に大きな衝撃を受ける。敗戦翌年の1946(昭和21)年2月、

 

盟友小栗虫太郎の死が追い打ちをかけ、海野は戦後を失意の内に過ごす。

 

筆名の読みは、「うんのじゅうざ」、「うんのじゅうぞう」の

 

二通りが流布している。丘丘十郎(おか・きゅうじゅうろう)名でも

 

作品を残し、本名では電気関係の解説書を

 

執筆している。

 

【引用:図書カード:No.1227

https://www.aozora.gr.jp/cards/000160/card1227.html

 

 

 

 

自由さの中に

 

 

読者の知識を基にして架空の世界を作り出す

SFという作品では詳細な設定が必要です。

そうすることでリアリティが生まれ、世界観に引き込まれる

のだと思いますが、あまりに’’気難しい’’すぎると

これはこれで、やや難しい面が出てきてしまいます。

 

その『自由さ』がSF作品の【おもしろさ】であり

【むずかしさ】だと筆者は思います。

 

その点で三十年後の東京では情景の説明はあれど

事細かな設定の説明はあまり見られません。

 

 

 

しかし文章や単語の1つ1つが読者に設定を

考えさせてくれる構成になっていることから

最低限の設定で短編ながらも世界観が十二分に味わえます。

SF 景色

 

三十年後の楽しさ

 

 

今から三十年後、私たちは一体全体

どんなことをしているのでしょうか??

 

明確な目標があり、達成しているかもしれない…

もしかすると、この世にいないかもしれない…

あるいは、今と同じ日常が続いているかも…

 

100年後や1000年後と全く想像もつかない未来より

【もしかすると】が想像できる、そんな舞台を

選択するセンスに感銘を受けました。

 

実際、未来なんていうのは

誰にも分からないですがこの作品からは

【想像する楽しさ】を教えてもらった様な気がします。

 

 

 

数十年前の人々にスマートフォンを説明しても

なかなか信じてもらえないように

三十年後は【突拍子もない何か】が起きているかもしれません。

でもまぁ、人間は社会性の生き物です。

もし【何か】が起きても何となく順応して

何となく生活していることでしょう。

 

作品の中の【三十年後の東京】では実際

想像の斜め上をいく世の中

人々は生活をしている訳ですが

意外と何とかなっているみたいですね。

 

ほら、楽しくなってきませんか?

 

 

 

理解の外側

 

 

この作品ではとある脅威から人間同士がいがみ合っている

場合ではないとの考えから、戦争は起きていません。

 

しかし【強盗やらギャング団】

とある非常に危険な物を使用して人々を

混乱に陥れようとしてきます。

 

筆者の周りにも同様のことをしている【人間】は

たくさんいます。

みんなが同じ方向を向いていると思っても、中には

別の方向を向いて色々と画策する人間もいる。

どの時代も考えることは同じなのか、と思いました。

 

筆者の''小さな社会''の中でもそう思うことですから

もっと’’大きな社会’’では一定数、存在しているのでしょう。

 

でも、もし

未来に飛んでそう思えたら、逆に安心できるかもしれません。

未来でも人間は変わらない、という証明になっているのですから。

 

逆 考え



最後に

 

 

『三十年後の東京』についての記事でした。

 

日常に飽き飽きしている時にこういう作品に

出会えるとちょっとしたスパイスになります。

特に未来に向けて色々と考えるきっかけになりますから

今を飽きている時は、特に効果的だと思います。

一種の現実逃避なのかもしれません。

 

現実逃避というとあまり良い意味で聞こえないかもしれませんが

それでも最大の息抜きに繋がるのだから、

筆者は『現実逃避』大賛成です。

 

せっかくなので読者のみなさんも『三十年後の東京』を通して

【現実逃避】をいかがでしょうか?

 

きっと未来について考えられる良い時間にもなると思いますよ。

 

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

またどこかでお会いしましょう。

 

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