はてのえす

時には深く多趣味な人生を歩んでいます

平林 初之輔 秘密
海野 十三 三十年後の東京

クタクタのぬいぐるみとラベンダーの香水にのせて。

最初で最後の贈り物 

 

 

 

まず、このお題を作成してくれた

Gスカ (id:GSka)さんへこの場からお礼を

お伝えしたいです。

 

ちょっと昔のことを思い出し懐かしい気持ちになりました。

またこの記事を作成するにあたり

大変よい機会を頂きました。

ありがとうございます。

 

あまり文書は上手くないですが、

お時間があれば

筆者の山も落ちもない

【よくあるその辺】の話

お付き合い頂ければ幸いです。

 

語り部はまさに自分。

ちょっと、こそばゆいですがね…

 

 

 

 

 

 

こんにちは

 

 

スマートフォンなんて存在していなくて

庶民の''ハイテク機器''はPCが

関の山の時代。

 

家に帰る、PCの電源を付ける

それが当たり前。

 

今みたいな出先で

【インターネット】に手軽に

繋がれることはありませんでした。

それはそれで楽しかったけれど。

 

そんな時代に一代を沸かせた

ゲームジャンルがありました。

大分、今は下火になってしまったかな

 

MMORPG】

 

(大規模多人数同時参加型

 オンラインRPG

 

というジャンル。

今の子たちには通じるのかも怪しいですね。

今考えると

メタバース(仮想空間)】

が近いのかな。

 

 

 

インターネット上のサーバーに

自分のキャラクターを作成して

同時アクセスしたプレイヤーと一緒に

冒険したり、生活したり。

 

・マギノビ

・RED STONE etc…

 

有名タイトルはたくさんありました。

どれも筆者の中にあるのは

『思い出』『楽しさ』の塊。

 

今回の記事は

そんな塊の中で唯一『恋』に関係する

こそばゆくて

ふふっと口角が少しばかり

上がってしまうお話です。

 

まさしく名実共に『こんにちは』から

始まるなんて出来すぎていると

今でも思います。

 

 

偶然の巡り合わせ

 

 

その日も、とあるMMORPGにログインした

筆者はその辺にいるNPCから

''いつも通り''エストを受注しようと

していました。

 

いつも普段通りのいつもの日常。

現実世界から切り離されていた

インターネットの中でも

いつもと同じ事を繰り返す。

でも、それでも心地良い時間。

嫌いじゃありませんでした。

 

 

 

エストも特段難しい物じゃなく

俗にいう『お使い』

 

難なく終了しプレイヤーが集合する場所で

次は何をしようかなと考えていた時に

全体チャット

 

『こんにちは』

 

と呟いている右後ろ斜めのPL。

知らない女性のキャラクター

でした。

 

近くには自分しかおらず、

まず全体チャットなのも何かの間違いかな

と思いましたが

一応『こんにちは』

返事をしてみます。

 

『ごめんなさい。

 間違えました』

 

内心、安心しました。

間違いであることに確信を得た筆者は

その場を去ろうとしますが

 

『何か用事はありますか?

 もしよければ一緒にクエス

 どうですか』

 

そんな内容を言われたのを覚えています。

まぁ特にやることもないし、

一緒にクエストをする事にしました。

 

それが

彼女との偶然の巡りあわせ

でした。

 

PC 女性

 

 

年上への憧れ

 

 

彼女は筆者より年上でした。

その頃から課金システムはあって

彼女はよく強いアイテムや乗り物

使用していました。

 

たまに筆者にも使用させて貰っていました。

今も思いますが課金すれば、すぐに強くなれますよね。

そんな年上の余裕に憧れ

覚え始めます。

 

そんな毎日を過ごしていると突然

 

『手紙のやり取りを

   しませんか』

と言われます。

 

 

 

手紙…

手紙というと住所を交換して、

本名を知って…

本当に大丈夫なんだろうか?

そんな気持ちでぐるぐるします。

 

今より【個人】をインターネットに

流すのはご法度な雰囲気でしたから

悩みに悩んだ結果...

 

 

手紙のやり取り

することにしました。

実際は2~3個ぐらい年上だった気がしますが

大人ってすごいなぁ

思っていました。

 

 

 

おとぎ話の本

 

 

最初はよくある内容の文通でした。

 

・何が好き?

・今日はこんな事をしたよ

・好きな食べ物は?

        とか

 

1~2枚の内容でしたが、結構これが楽しくて

次はいつくるかなぁとウキウキの毎日を

過ごしていました。

 

その頃はふわふわしていて

多分『恋』をしていたのかと思います。

あまり自覚はなかったけれど。

 

一回だけ電話もしていました。

緊張で汗が出て、喉が渇いて…

あまり思い出せません。

唯一しっかり思い出せるのは何故か

着信アリ』のあの着信音に

設定していた事です。

 

そうして月日が経った頃

一冊の本を送ってくれました。

青い表紙の『おとぎ話』

たくさん書いてある本でした。

 

『私の大好きな本』

『○○(地名)にきたら

   会って渡せるのに』

 

そう手紙に綴ってありました。

 

でも、最後の行に

『私、外国に行く事になった』

と書いてありました。

 

聞いたこともない、行先まで添えて。

青い 行先

 

 

話の終わり

 

 

それを読んだ時に何か

プレゼントをしたい

思いました。

その時の筆者は本当にこれで最後になる

直感したんでしょう。

 

筆者はよくゲームセンターに

行っていました。

そこで何千円もかけて

クタクタの猫のぬいぐるみを取って。

入った事もない良い匂いのするお店で

5000円くらいのラベンダーの香水を買って。

 

小さな箱に1つに詰めました。

 

『これまで、ありがとう。

  頑張ってください』

 

''最後''の手紙を添えて送りました。

なるべく端的な内容にしたかったのです。

 

その後は段々とお互い忙しくなり

文通もやめ、いつも通り

戻っていきました。

 

 

最後に

 

 

それなりに昔の話なので

所々は掠れていますが、概ね

こんな感じです。

自分で書いていて本当か?と思うけど

事実は小説より奇なりと

いいますものね…。

 

その後、彼女がどうなったのかは

分かりません。

でもきっと、

元気に過ごしていると信じてます。

 

以上、昔にあった噓のようで本当の

お話でした。

 

ここまで読んで頂き

ありがとうございました。

またどこかでお会いしましょう。

 

  お題「ネット上で恋をした」