はてのえす

時には深く多趣味な人生を歩んでいます

平林 初之輔 秘密
海野 十三 三十年後の東京

大坪砂男さんの『浴槽』を読んでみて

浴槽

 

 

 

読者のみなさん こんにちは

今回は

大坪 砂男 著

Otsubo, Sunao

浴槽

 

を拝読させて頂きましたので

筆者の感想や、感じた事を記事に

していきます。

 

『浴槽』

青空文庫で読むことが出来ます。

オススメです!

www.aozora.gr.jp

 

『浴槽』という題を聞いて

みなさんはどんな内容を

思い浮かべるでしょうか?

 

温泉地でゆっくりする話

お家の浴槽を替える話

浴槽の魅力について語る話

 

様々な内容を

思い浮かべることでしょう。

もしかすると脳裏を掠めている

それらの内容とはちょっとばかり

違うのかもしれません。

 

 

 

実は今回の作品は推理小説

とある温泉地で行った【事件】

推理小説家目線で解読していく

短編となっています。

【事件】の真相は如何なものなのか?

どんどんと追及されていきます。

 

この作品は

20分程度で読み終える

ことが出来ます。

 

※今回の記事において最後のオチの部分には

触れないように作成しています。

 大坪砂男 浴槽に目を通していただけると

安心して読むことが出来ます。

 

 

 

 

あらすじも含めて

 

物語のあらすじをざっくりとまとめると…

 

鉄道の小刻みな振動を感じていると

何か話した気な青年が見えます。

ミステリー作家の主人公

ぽつりと一言発すると

その青年が自分に話かけられたと

勘違いし返事をして、次いでは

闇に葬られたとあるミステリーを

話し始めます…。

青年がミステリーを話始めた

きっかけというは主人公

持っていた本の表紙が

まさにそれで生業と悟ったから

という理由です。

 

このようなニュアンスから

物語がスタートします。

 

さて、物語を読み終えて振り返ってみると

筆者は1つ引っ掛かるポイント

がありました。

それは

 

『なぜ、話し始めたのか』

 

 

 

この作品におけるミステリーとは

闇に葬られた事件のこと

を指しますがどうして青年は初対面の

ミステリー作家

それを話したのでしょうか?

 

 

 

何かしらの責の念から?

ただの温泉宿への客引き?

それとも…

 

作中にこれ!という答えはありません。

事件の真相もさることながら

この作品の魅力はなぜ?

部分に集約するのでは

ないのかと筆者は思います。

 

トンネル

 

 

連携性

 

 

事件の内容を紐解いてくと

各々の思惑が交錯し結果的に

同じ方向を向いている

のが分かると思います。

 

''それ''を利用して事件の

オチへと繋がっていきます。

 

しかし主人公も触れていますが

妙に出来すぎている様に思えます。

 

 

 

作品としては分かりやすいこと

この上ないですが、これは

読者に対しての謎かけ、質問の類では

ないかと感じました。

 

 

主観では

 

 

上記の2点も踏まえ

これは筆者の【妄想】では

ありますが作中で語られる事件はなく

ミステリー作家に憧れる

青年の作り話

だったのでは?

 

との考えに辿り着きました。

いわゆる【劇中劇】ともとれますね。

 

 

 

もちろんこちらの作品にその

【答え】はありません。

それでも【答え】がないからこそ

楽しめる面があると気づいた時に

筆者はすごく

ワクワクしました。

 

 

 

読者も巻き込んで作品全体を

ミステリー(あるいは謎かけ)

している様に見えてなりませんでした。

 

ちょっと妄想が過ぎるかもしれませんが

是非、この記事を読んで頂いている

読者の方も【妄想】

してみてください。

 

こちらの作品の見方が変わり、

ワクワクした体験ができますよ。

 

 

最後に

 

 

突然ではありますがこの度、筆者は

温泉旅行に出かけることになりまして

何か『温泉』に関連する作品はないか

と探している最中に

こちらの作品に辿り着きました。

 

温泉旅行に8万円を使用したお話はこちら

 

まぁもちろんのこと出先で

何かが起こるとは考え辛いですが…

 

今回の作品『浴槽』は

''そういう''見方をすることで

また違う視点で楽しみがあることを

気づかせてくれる

良い作品でした。

 

予定日までは、まだ日があります。

もうすこしだけ【妄想】

浸ってみようかなと思います。

 

朗読はこちら


www.youtube.com

 

ここまで読んで頂き

ありがとうございました。

またどこかでお会いしましょう。