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江國香織さんの『つめたいよるに』を読んでみて

つめたいよるに

 

 

 

読者のみなさん こんにちは

今回は

江國香織 著』

 

『つめたいよるに』

 

を拝読させて頂きましたので

筆者の感想や感じたことを記事にしていきます。

 

『つめたいよるに』

デュークを筆頭に

全12話 2部構成による短編集となります。

 

実際に読んでから知りましたが

いつぞやのセンター試験にも問題として登場したそうですね。

内容もさることながら、その文章や表現を見ると「なるほど、確かに」と感銘を受ける程

美しく、丁寧でいて分かりやすい文章なので

採用されたのにも納得がいきます。

 

 

1話あたり約10~15分程度で読み終える事が出来ます。

 

それぞれの話に繋がりはなく、1話完結型なので

 

隙間時間に読むことにも向いているでしょう

 

 

突拍子もないけれど

どこかにあった気がする日常の欠片達

読者を魅了してくれるオススメの1冊です。

 

※今回は記事において、あらすじ等は含みません。

 

 

あなたを読書の海に引き込んでくれる一冊はこちら

 

 

 

 

膨大な日常の連続

 

 

街中を歩いていると

同じ年齢

年上

子どもに老人

様々な人とすれ違います。

 

筆者は時折、すれ違う時に

ひとりひとりが自分と同じ時間を過ごし、

膨大な日常を体験している連続に感じてしまって

畏怖してしまう時があります。

 

今回『つめたいよるに』を拝読している最中でも

同様の気持ちになりました。

それ程【今この瞬間にでも世界のどこかで起こっているかもしれない】

がぎゅっと濃縮してある1冊なんです。

 

実際に読んでみるともしかしたら『あるある!』

相槌を打ってしまう場面もあると思います。

群衆 一人

 

 

文章に魅入られる

 

 

短文集なので内容は様々ではありますが

中には『文章に魅入ってしまう』体験ができる

箇所がありました。

ふわふわと掴み所がないけれど、なぜだか

眼が離せないという感覚。

筆者は初めてでした。

 

嫌な感覚ではありません。

ふっと、身体が浮かぶような心地よい瞬間でした。

 

 

 

ブレーキの印象

 

 

物語において起承転結はとても大切ですが

1話の短さにおいてそれをまとめ上げているのは圧巻でした。

更に、どの話においてもそうなんですが

この先どうなるんだろう?

と想像力を掻き立てられる終わり方になっています。

 

話の流れはどれもテンポよく、スピード感があってサクサクと読み進めることができるのですが

最後の部分は急ブレーキの様に

グッと印象強く終わります。

 

 

 

その印象強さがその先を考える

きっかけになっているのだと思います。

自分が学生ならば読書感想文の題材にはこちらの本を使用していたことに違いありません。

そう思える程’’こちら側’’にその後を考える

問いかけを残してくれています。

夜道 ブレーキ この先

 

最後に

 

 

最近はめっきり電子書籍の時代になりました。

昨今において場所も取らず、好きな時間に読める便利な

電子書籍は時代の流れを感じますね。

 

『つめたいよるに』は久々の紙媒体の書籍でした。

自分でページをめくる

   しおりを挟む

   机に置く

どの行動も自分にとって、全て懐かしむ良いきっかけでした。

 

さて、『つめたいよるに』ですが

内容はこどもから大人まで幅広く楽しめる

1冊だと思います。

というのも、どの年代の視点から読み進めたとしても

何らかの共感ができる様になっています。

そしてその共感をついつい別の誰かに話したくなるような

そんな不思議で魅力がたっぷり詰まった本です。

 

今回、12話の話の内どれかをピックアップして

記事にしていこうとも思いましたが

その不思議な部分を体験して頂きたく

あえて触れていません。

 

是非『つめたいよる』に『あたたかなお皿』を囲んで

こちらの本について談笑してみてください。

 

きっと素敵な時間になると思います。

 

ここまで読んで頂き、

ありがとうございました。

またどこかでお会いしましょう。