はてのえす

時には深く多趣味な人生を歩んでいます

平林 初之輔 秘密
海野 十三 三十年後の東京

平林初之輔さんの『秘密』を読んでみて

街頭 秘密

 

 

 

読者のみなさん こんにちは

 

早速ではありますが『青空文庫』という

サイトをご存じでしょうか?

 

www.aozora.gr.jp

少しだけ紹介させて頂くと

文庫と名の付く通り、様々な書物が

集まっているサイトです。

いずれの書物も

著作権の消滅した作品と、

「自由に読んでもらってかまわない」と

  されたものを、テキストとXHTML

 (一部はHTML)  形式に 

電子化した上で 揃えています。】

(引用:青空文庫編 青空文庫早わかり)

 

とのことで、無料で読むことが出来ます。

 

今回はこちらのサイトの中から

www.aozora.gr.jp

 

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こちらを拝読させて頂きましたので

筆者が感じた事を記事にして

いきたいと思います。

『秘密』は大体20分もあれば

読み終える事が出来ます。

もしお時間があれば、

まずは読んでみてください。

 

※最後のネタバレは避ける様にしていますが、大筋に触れる面もあります。

 ご注意ください。

 

 

 

 

 

いつの時代も

 

 

まず、最初にこのブログの筆者が感じたのは

いつ、どの時代においても

人間の本質は変わらない

ということです。

 

もちろん立場や地位において

考え方何て物は変わると思いますが

その前に人間である以上、

本質の感情は捨てきれません。

 

その点でこちらの作品は不貞を働く

主人公が抱く感情を的確に

そして、普遍的にまとめ上げています。

 

 

 

目の前の焦りや

一方向からみる感情の増悪

 

それらは決して許される物ではありませんが

隠すことなく表現されており、主人公の気持ちが

ダイレクトに伝わってきます。

短編ながらも、

感情移入しやすいでしょう。

 

男性 着物

 

 

男性であるが故に

 

 

主人公は妻の物静かで、どこか

内気で平凡な性格に飽き

感じています。

それと対比するように以前の

燃えるような恋を経験した元恋人。

後ろ髪を引かれるように

過去の記憶が蘇っていきます。

ある手紙から突如として離れた

元恋人との再会を決意するのですが

それらの一連の流れを主人公は

『運命』と表しています。

 

まぁ運命なんていうのは

偶然の連続であることと思いますが

男性はロマンチストの面が

強い所があります。

ただの不貞に運命と

名を付けて正当化している

感じは否めませんが人生の1つのドラマとして

行動化している様に見えました。

 

男性のロマンチストな面は

他の作品でも顕著に見られています。

平林さんの他のオススメ作品はこちら

 

 

今回の作品においては

自分にとって衝撃的な行動を適当な理由を

付けて正当化しようとしている所からも

合理化の心理も働いているのでしょう。

 

 

物語の行方

 

 

途中の緊迫感から

ミステリアスな雰囲気、そして

それらが解決へと結ぶ章がありますが

やや駆け足ながらも謎が繋がり

なるほどと納得しました。

 

時代は大正

戦艦長門が現存していた時代。

主人公は関東大震災を経験しています。

 

その時代背景を考えたときに

事実として本当に

''ありえたのかもしれない''

考えると何とも言えない

脱力へも繋がるのでした。

 

物語の最後には

自責を含む感情を主人公が襲いますが

それらの感情は独りよがりの、

都合のいい所もあるけれど

妻との間柄を表す

打ってつけの文章と感じました。

 

 

 

最後に

 

 

最初に読んだときに主人公の男の部分に

笑いを隠せませんでした。

いかにバレないように

時間を計算して、手紙を隠して…

【五時までに帰ることにすれば

   時間はたっぷりある!】

の部分には男気すら感じました。

 

ですので、あえて『男性』目線で

記事にしてみました。

もちろん物語のネタバレに触れないように

少しずれた観点にしたかったという

意味合いもありましたが。

 

現代に置き換えても

通ずる所はたくさんあると思います。

なにせどの時代も人間である以上は

『感情』は捨てきれませんから。

 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

重ねてにはなりますが『秘密』を読んでみてください。

オススメです。

 

 

音声で楽しみたい方はこちらの動画をどうぞ


www.youtube.com