平林初之輔さんの『人造人間』を読んでみて
読者のみなさん こんにちは
今回は
平林 初之輔 著
Hirabayashi, Hatsunosuke人造人間
を拝読させて頂きましたので
筆者の感想や、感じた事を記事に
していきます。
『人造人間』は
青空文庫で読むことが出来ます。
オススメです
人造人間は単純そうで
奥が深い作品です。
そこには
愛や憎悪、欺きの感情が渦巻いてしました。
※最後のネタバレは避ける様にしていますが、大筋に触れる面もあります。
ご注意ください。
あらすじも含めて
という感じです。
とにかく、平林さんの
書く文章は知的です。
それでいて飽きがこない
不思議な魅力が詰まった
文章で構築してくれています。
今回の作品も
一度読みだしたらやめられない
そんな''癖''にきっと
ハマること間違いなしです。
面妖な美しさ
主人公の博士には
世間では許されない願望があります。
その願望を実現する為に
切磋琢磨し、努力するのです。
そこには博士の
誰にも理解されない
気持ちが隠れていますが
誰もを欺き、ついには自分もを…
という所で
面妖な美しさ
を感じました。
一言で表すと【不気味】
彼の冷静沈着さのメッセージに
引っ掛かるその感覚は
間違っていないと思います。
多情多感
登場人物は多くはありませんが
それぞれが登場する場面で
繊細な感情が丁寧に描かれています。
憎悪
悪態
愛情
平静
緊張
たくさんのドロドロとした
感情がギュッと詰め込まれており
眩暈がする程です。
短編でありながら、これだけの
目まぐるしい感情表現に感動するでしょう。
平林さんの別作品『秘密』でも
その感動を味わうことができます。
是非見てみてください。
『秘密』の記事はこちら
『人造人間』では
特に中盤あたりの女史の
気持ちの揺らぎは必見です。
感性豊かな読者の方なら
その場にいるかの様な
没入感も味わえると思います。
読者の方へ
彼は朝起きて、1日を終えるまで
どんなことを想っていたのでしょうか。
人造人間というタイトルではありますが
作中の『人造人間』というワードの
立ち位置が変わってくる終わり方でした。
博士にとって
『人間』を『創造』することを
思いついた時の理想と戸惑いの狭間は
想像に容易いです。
作品を最後まで拝読させて頂いた後
『人造人間』の立ち位置が
虚無感へと変わっていきました。
読者の方はいかがでしょうか?
最後に
重ねてにはなりますが
こちらの作品は
不思議な魅力に包まれています。
何度か読み直してみると
更に魅力が増します。
是非お時間あればもう1度
目を通してみてください。
オススメです。
朗読はこちら
ここまで読んで頂き
ありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。